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「火照った体～特別編～ 特集：素人の倫理と道徳」

その日、僕の部屋には特別な空気が漂っていた。原因は、まるで炎のように真っ赤になった涼香の顔だ。涼香は僕の幼なじみで、最近は大学の同じクラスで一緒に勉強をしている。今日はレポートの共同作業のため、彼女が僕のアパートに来たのだが、その理由が今ひとつ納得できない。

「涼香、大丈夫？顔真っ赤だけど？」

「う、うん……大丈夫、きっと……」

彼女の挙動不審な様子を見て、僕は少し心配になった。それに、彼女の目はどこか焦点が合っていないように見える。今日は一体どうしたのだろうか。

「ちょっと、お茶でも飲む？冷たいのがいい？」

「うん、ありがとう……」

僕は台所に向かい、涼した冷蔵庫から冷たい緑茶を取り出して、カップに注ぐ。この日差しの強い日、冷たい飲み物で火照った体をクールダウンするのが一番だと思った。彼女にお茶を手渡すと、涼香はそれを一気に飲み干した。

「はぁ……」

涼しげなため息をついた涼香は、少し落ち着いたようだ。しかし、目の奥に何か言いたいことがあるのが感じられた。この時、僕は何か特別なことが起きたのだと察した。

「ねえ、涼香、何かあったの？」

「うん……実は、話したいことがあって……」

緊張しているのか、彼女の声はか細い。僕は彼女の前に座り、じっとその言葉を待つ。

「今日は、ちょっと特別な話をしたくて……」

「特別な話？」

「うん……倫理と道徳について……」

なんだ、そんなに深刻なトーンで話し出すから、もっと重大なことかと思った。でも、わざわざ僕のアパートまで来て話すことって、どんな内容なんだろう。

「倫理と道徳って、具体的には？」

「例えば、この前の大学の授業で話題になった、原因と結果についての話……覚えてる？」

「うん、覚えてるよ。でも、どうして急にそんな話を？」

「実は、それを考えているうちに、自分が正しいことをしているのかどうか、すごく気になっちゃって……」

涼香の言葉に僕は戸惑った。僕自身も倫理や道徳について深く考えることはあるけれど、普段の生活で大きな問題になることはあまりない。それに、涼香はそんなに気にするようなタイプじゃなかったはずだ。

「例えば、どういうこと？」

彼女は深く息を吸い込み、真剣な表情で僕を見る。

「私、最近ずっと考えてるんだ。自分が他人にどう接しているのか、本当に正しいことをしているのか……」

その言葉に、僕は驚いた。優しくて思いやりのある涼香が自分を責める必要なんてないはずだ。

「涼香、君はとても素敵な人だよ。いつも人を思いやっていて、そんなに思い悩む必要なんてないよ」

「でも、他人の気持ちを考えることがどれだけ重要か、本当に理解しているのかどうか自信がないんだ。私の行動が誰かを傷つけているかもしれないって思うと、すごく怖くなるんだ」

僕は彼女の手をつかみ、力を込めて握りしめる。

「涼香、そんなことを考えてくれるだけで、君はもう充分に他人を大切にしていると思うよ」

彼女は少しうるんだ瞳で僕を見る。僕には彼女のその姿がとても麗しく感じられた。

「ありがとう、でも、もっと自分を信じなきゃって思うんだ。この火照った体みたいに、思いが強ければ、それはきっと本物だよね」

僕は涼香の顔に微笑みを浮かべる。

「そうだよ。どんなに迷ったとしても、自分の心を信じることが大事なんだ」

その後、涼香と僕は大学のレポートについて話し合ったが、彼女の心にあった不安はだいぶ和らいだようだった。僕たちの友情は、こうして新たな一歩を踏み出したのだ。

特に、火照った体であることの意味を考えながら、倫理と道徳についても深く考えるきっかけを得た。涼香の純粋な思いと、彼女の誠実な姿勢は、それ自体が素晴らしい教えだった。そして、それがどれだけ僕たちの生活に深い影響を与えるかを理解することができたのだ。

「ねえ、これからも一緒に頑張ろうね、涼香」

「うん、ありがとう、これからもよろしくね」

この小さな体験から、僕たちが学んだことは多かった。火照った体が示す情熱と、特別編ともいえるこの瞬間が、僕たちに新しい道徳と倫理の視点を与えてくれたのだ。今後も、僕たちはこの特集を心に留めて、日々を大切に過ごしていく決意を新たにした。

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完了